ブーミーすぎるフロントが弱点 フロントピックアップの甘くて太い音色に魅力を感じる方が多い一方、ブーミーで使えないなぁ、と思っている方も同様に多いのではないでしょうか。 特にハムバッカーをレスポールやハコモノに搭載した場合、1番パワーの弱いとされているPAF系レプリカのギブソン57クラシックやセイモアダンカンのSH-1などでも、まだ少しブーミーに感じます。 市販のピックアップをフロントでの適正な弦との距離に調整すると、リアをかなり弦に近づけなくてはいけなくなり、ポールピースの磁力が弦振動を邪魔してしまう。 逆に、リアを先に丁度よい高さにしてフロントピックアップの出力バランスを取ろうと思うと、かなり下げる事になり、結果、弦振動から遠ざかるためピッキングのニュアンスを再現しきれなくなってしまう。そんなジレンマにハマっている人も多いのではないでしょうか？ そして「PAFよりも出力の弱いピックアップ」という発想は市場から完全に失われ、ブーミーすぎるフロントピックアップのサウンドが放ったらかしにされてしまったのです。 開発のきっかけ ある日、お客さんから「このフロントの57クラシックのブーミーな感じなんとかならないか？」と相談されたのです。 PAF系が一番スッキリしているPUという固定観念があるため、なかなかいい案を思いつかなかったのですが、ある時「片側の巻数を減らしてしまう」というアイデアを思いつきました。 そして早速試してみたところそれが大当たりでした。 これには思わぬ副産物があり、2つのコイルのミスマッチを起こすことにより、今まで同じ巻き数のコイルによって打ち消し合っていた倍音成分を引き出す事になり、普通のハムバッカーよりピッキングのニュアンスを出し易く、音ヌケがよくなりました。 まさしくフロントピックアップのハムバッカーの最適解がここに生まれた瞬間でした。 ボビンの色は基本はブラックですが、パーチメントも選択することが出来ます。それらを組み合わせてゼブラカラーにすることも可能です。カスタムカラーについてはお問い合わせ下さい。